寒暖の差
2020年11月の掲載当時の内容です。制度・数値・施設の取り組みは、現在と異なる場合があります。
10月は、金木犀の心地良い香りを楽しむことができましたが、金木犀の香りで昨年のこの時期を思い出し、この一年は例年以上にあっと言う間に過ぎているのを実感しています。少しずつ肌寒い気候になり、冬の訪れを近くに感じるようになりました。とは言え、日中はまだ暖かい日もあり、逆に朝方の寒さは厳しくなってきています。寒暖の差で体調を崩さないようにしないといけませんね。
香りと記憶
さて、先ほど金木犀の香りのことを書きましたが、特定の香りで過去の出来事を思い出すことを『プルースト現象』と言うそうです。私は、雨の降り始めにアスファルトから香るペトリコールを嗅ぐと、幼少のころの雨の日を良く思い出します。毎回少し切ない感覚が付いてくるのですが、みなさんはどうでしょうか?
寒暖の差
昨年もたよりの話題にしたのですが、これからの季節は『ヒートショック』に注意が必要です。気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることを『ヒートショック』といいます。この血圧の乱高下により、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こり易くなります。
ヒートショックは、冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、浴槽に入る時などに起こります。リビングから脱衣所に移動した際には、寒さに対応するために血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室へ入るとさらに血圧は上昇します。その後、浴槽に入ると、急に体が温まるため血圧が下降します。特に10 ℃以上の温度差がある場所は危険とされており、注意が必要です。
11月~2月までの時期がヒートショックの好発時期です。浴室や脱衣所などの気温が下がり長風呂になりやすいため、リスクが高まります。また、トイレでヒートショックを起こす人もいるため、お風呂以外でも温度変化のある場所には要注意です。
ヒートショックの影響を受けやすい人
下記のリストに該当する場合は、ヒートショックの対策をして入浴するようにしましょう。また、ご家族の中に該当するご高齢の方がいる場合は、浴室で倒れられるリスクもありますので、入浴中はときどき様子を見に行くことも必要です。
- ・65歳以上である
- ・高血圧、糖尿病、動脈硬化がある
- ・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
- ・浴室に暖房設備がない
- ・一番風呂が好き
- ・熱い風呂が好き
- ・飲酒後にお風呂に入ることがある
- ・30分以上お湯に浸かっている
予防のポイント
ヒートショックを予防するポイントは、血圧が乱高下しないようにすることです。そのためには温度差をなるべくなくし、体に負担の少ない入浴方法を心がけましょう。
- 脱衣所と浴室を温める
- お風呂の温度は低めに設定
- ゆっくりとお風呂から出る
今年の冬はインフルエンザに加え新型コロナウイルスにも注意が必要なため失念しがちですが、感染症以外のリスクにも目を向け、健康に過ごしたいものです。
( 施設長 橋爪 豪 )
出典:しあわせたより 2020年11月号
